黒川伊保子

男女のものの見方の違いを思うたびに、この世に、二つの違う脳があることの意味を思い知る。この組合せは、とても合理的だ。脳を遠距離両用のハイブリッドにすると、判断が遅れる。どっちかに集約しているからこそ、瞬時に危険を見分けられるのだ。遠くの危険と、近くの危険を瞬時に見抜く脳の組合せが夫婦というものなのだろう。
しかも、発情しあう男女は、免疫抗体の型が遠く離れて一致しない。男女は、体臭の一部で免疫抗体の型を知らせ合っており、その型が一致しないほうが、互いの好感度が高いからだ。
免疫抗体の型、すなわち外界に対しての生体としての反応がことごとく違う男女が、まったく違うものの見方で一緒に暮らす。夫婦の脳は、一対で精緻なメカのようなものであり、けっして離れてはいけない。恋とか愛とかを超えた、ともに生きる意義がそこにはある。

児玉徳美

見聞ということばがある。見聞とは「見たり聞いたりすること」であり、また「そうして得た知識」でもある。人は見たり聞くことをすべて正確に記憶し再現できるわけではない。外部からの刺激のうち、受け手にとって意味あるものを取捨選択して記憶として身につけ、その後の行動に役立てていく。つまり、外部から送られる情報に反応して知識として蓄積していく。情報と知識は別物であり、両者の間に介在するものが思考である。外部から送られる情報がすべて受け入れられるわけではなく、思考過程で拒否されたり、特定のものが選ばれたり、補強されたりして知識となる。
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日常生活で出くわす矛盾や不平等、「あたりまえ」とされている制度や常識などへの疑問は身辺に無数に存在する。情報はこのような問題を考える基礎材料を提供してくれることもあるが、直接回答を与えてくれるものではない。問題を発見し、問題解決の筋道をつける作業は情報の受け手や情報と無関係に人の思考・知識に委ねられている。

目崎雅昭

子供は誰でも、「どうして?」と質問をする。しかしその質問に対して、「うるさいから、黙ってやりなさい!」と大人が言い続けると、そのうちに子供は質問をしなくなるだろう。そして、黙って何でも親に従う子供は「よい子」として賞賛されていく。
すると、子供はそのうち「なぜ」という疑問さえ持たなくなってくる。その後は、「それが社会だから」とか「世の中はそういうものだから」と、それ以上の詮索をやめてしまう。周囲と同じ事をやっていれば、少なくとも批判されることはないからだ。
そうやって大人になった者は、今度は子供達から「どうして?」と質問されても、「そういうものだから」としか答えることができない。それ以上に「なぜ?」と聞かれると、「黙って従いなさい!」となってしまう。自分がそうやってきたのだから、当然といえば当然の結果だろう。
萎縮した子供は萎縮した大人になり、自分の外側にある「常識」に従うことを絶対視する。それは、自己が喪失していくことを意味しないだろうか。
意思とは、ひとりひとり固有の、自分を自分としている最小単位の根源である。意思があるから個性が生まれ、人間としての魅力も出てくる。意思がなければ、それは魂のない人間と同じだろう。
仕方がないから。それが世の中だから。ダメなものはダメ。こういったことが口癖ならば、自分の「意思の存在」を疑う必要がある。「それが日本人の国民性だ」「日本の文化だから変える必要はない」などと、安易な反論がでてくる場合も要注意だ。

Leonard Koren

Things are either devolving toward, or evolving from, nothingness. As dusk approaches in the hinterlands, a traveler ponders shelter for the night. He notices tall rushes growing everywhere, so he bundles an armful together as they stand in the field, and knots them at the top. Presto, a living grass hut. The next morning, before embarking on another day’s journey, he unknots the rushes and presto, the hut de-constructs, disappears, and becomes a virtually indistinguishable part of the larger field of rushes once again. The original wilderness seems to be restored, but minute traces of the shelter remain. A slight twist or bend in a reed here and there. There is also the memory of the hut in the mind of the traveler — and in the mind of the reader reading this description. Wabi-sabi, in its purest, most idealized form, is precisely about these delicate traces, this faint evidence, at the borders of nothingness.

Heather F. Smith, William Parker, Sanet H. Kotzé, Michel Laurin

The evolutionary pressures leading to the appearance of the cecal appendix, its evolutionary relationships with the cecum, and the link between these gastrointestinal characters and ecology remain controversial. We collected data on appendix presence and size, other gastrointestinal characters, ecological variables, dietary habits, and social characters hypothesized to drive appendix evolution for 533 mammalian species. Using phylogeny-informed analyses, we identified the first evidence of a positive correlation between appendix presence and cecal apex thickness, and a correlation with cecal morphology, suggesting that the appendix and cecum may be evolving as a module, the cecoappendicular complex. A correlation between appendix presence and concentration of cecal lymphoid tissue supports the hypothesis of an adaptive immune function for this complex. Other new findings include an inverse correlation between relative cecum length and habitat breadth, and positive relationships between cecum length and mean group size, and between colon length and weaning age.

浜口武司

ベトナム戦争や歴代の米大統領を題材にした骨太の作品で知られるオリバー・ストーン監督(70)の最新作「スノーデン」が二十七日公開される。
米政府に不都合な本作は米国企業の支援が受けられず、フランスやドイツ企業の出資で製作されたと監督は付言する。「米国では自己規制や当局に対する恐怖があるのかもしれない。米政府や主要メディアが伝えることが真実だと思わないでほしい」と話す。
過激な発言で物議を醸すトランプ米大統領だが、ストーン監督は米情報機関と主要メディアへの不信感から、トランプ氏に「奇妙な形で新鮮な空気を持ち込んだ」と期待をにじませる。
「トランプに対するヒステリックな報道は、冷戦時代の赤狩りのようだ。ロシアとつながりがあるかのような報道も、彼を大統領にしたくない力が働いたのだと思う。米メディアも新保守主義の権力側にある。トランプは主要メディアに対し新しい見方をしているのは確かだ」と断言する。
その上で「米国は今、帝国化している。日本は米国をそこまで信頼していいのか。米国はそれほど日本を大切に思っていないかもしれない。日本をどうするかはみなさんが考えることだ」とアドバイスする。

副田高行

僕はあまり勉強熱心ではないんですが、ただ言えることは、自分に興味のあることは身につくということです。仕事のためだけで情報を集めてもなかなか自分の中に蓄積していきません。もちろん、仕事によっては一生懸命勉強してやることはありますが、やはり、自分の価値観や基準をうまく表現できたとき、消費者にその広告の魅力を感じさせ、受け入れられるのだと思いますね。
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例えば、シャープのアクオスでいうと、世界の名建築シリーズや、現在の名画シリーズは、自分の興味のあるものを広告表現にとり入れているものです。でもそれは決して押しつけることではなく、それが共感を呼ぶと信じているからできるんです。世界で最も情緒の豊かな日本人はスペックだけではなく、心が動かされるものがないと満足しないと思うからです。
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クリエーターも生活者ですから送り手の役割をすると同時に、受け手でもありますから、自分にとってもいい広告だと実感できる表現をしたいんです。自分自身も含めた生活者の心を動かせる表現をしたいんです。

藤田徳人

子供を教育するときに、親は「偉いね」「すごいね」と言ってほめて <やる気> を出させて成績を上げさせようとするものです。実際子供のやることなど、偉くもすごくもないのです。ですが、そうやって子供を騙すことによって意欲を芽生えさせながら教育します。
受験もそうです。神社にお参りして、おみくじで大吉を引いて「試験は必ず合格する」なんて書いてあれば、それだけで合格した気分になり、次の日から勉強意欲がわくというもの。もし、そういう暗示も何もなく、「そんな簡単に合格するわけがない」という現実ばかりを突きつけられていたのでは、実際勉強する気力を生み出すことは難しいでしょう。
映画やドラマの世界もそうです。役者さんたちは、あくまで芝居をしているわけであって、嘘の笑い、嘘の涙を作って物語をすすめています。「これは芝居だ」とわかっていても、人はそれを見て自分が主人公になった気分になり、普段得られない喜怒哀楽の感情やドキドキ感を得ようとします。そういったものを見ている人はむしろ、無意識的に「騙されよう」としています。そして騙されれば騙されるほど、その感動は深くリアルなものとして自分自身にフィードバックされるわけです。
多くの男性はアダルトビデオを見て興奮しますが、これだって「自分はこの女優とエッチしている」という妄想を刺激しているだけにすぎません。ですが、男性たちは必死になってそのバーチャルな世界にわざと入りこもうとし、そして強い性的興奮を得ようとするのです。これらは全て、自ら騙されようとしているから成り立つもので、人はいかに騙されたがっているかということがわかります。騙されるほどに快感を得ることができるからです。

Randall Beard

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石牟礼道子

 
   花を奉る

石牟礼道子         

春風萌すといえども われら人類の劫塵いまや累なりて
三界いわん方なく昏し
まなこを沈めてわずかに日々を忍ぶに なにに誘わるるにや 虚空はるかに 一連の花 まさに咲かんとするを聴く ひとひらの花弁 彼方に身じろぐを まぼろしの如くに視れば 常世なる仄明かりを 花その懐に抱けり
常世の仄明かりとは あかつきの蓮沼にゆるる蕾のごとくして 世々の悲願をあらわせり かの一輪を拝受して 寄る辺なき今日の魂に奉らんとす
花や何 ひとそれぞれの 涙のしずくに洗われて咲きいずるなり
花やまた何 亡き人を偲ぶよすがを探さんとするに 声に出せぬ胸底の想いあり そをとりて花となし み灯りにせんとや願う
灯らんとして消ゆる言の葉といえども いずれ冥途の風の中にて おのおのひとりゆくときの 花あかりなるを この世のえにしといい 無縁ともいう
その境界にありて ただ夢のごとくなるも 花
かえりみれば まなうらにあるものたちの御形 かりそめの姿なれども おろそかならず
ゆえにわれら この空しきを礼拝す
然して空しとは云わず 現世はいよいよ地獄とやいわん
虚無とやいわん
ただ滅亡の世せまるを待つのみか ここにおいて われらなお 地上にひらく 一輪の花の力を念じて合掌す

東京新聞

安倍首相が衆院本会議の所信表明演説で、芦田元首相の言葉を引用したのは開始から約十八分後の最後のくだりだった。
「芦田元首相は戦後の焼け野原の中で若者たちに『どうなるだろうかと他人に問い掛けるのではなく、われわれ自身の手によって運命を開拓するほかに道はない』と言った」
淡々とした口調でこう述べた後に「自らへの誇りと自信を取り戻そうではありませんか」と声を張り上げると、議席の三分の二を占める自民、公明両党の議員から大きな拍手が巻き起こる。「少数野党第一党」に転落した民主党席は静まり返っていた。
芦田の言葉は安倍首相自身の判断で演説に入れた。
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注目すべきは、この(芦田の)講演が国民を広く対象にしたものではなく、当時、国をリードする立場にあった中央官僚や東大生を相手に行った講演であること。芦田講演の「われわれ」とは国民ではなく、政治家、官僚や将来のその「候補生」であり、彼らに向かって奮起を求める内容であって、国民の責務を意識させるような内容ではない。
首相が意図的にやや捻じ曲げたわけではないだろうが、引用がやや変なのだ。

西成活裕

私が最もすごいと思う研究者は、自然の声を聴いている人です。自分のフィルターを通して環境を見るのではなく、フィルターを外して声を聴いて理論をつくる。それが一番自然で、そうでない理論をむりやり立てたとしても違和感があるのです。むりやりの理論はすぐに駆逐されてしまう。地味であっても自然にできた理論のほうが長続きします。
「けもの道」ってありますよね。ここにも人が踏み固めてできたけもの道らしきものがたくさんあるのですが、それらは人が自然にここに道があったらいいと思ってつくっている。私はそれこそが道路ではないかと思うのです。芝生に入れないように、それを迂回する舗装道路をつくったとしても、見ていれば人は芝生の上を歩いてけもの道をつくっている。
皆それがよいと思ったら、その部分は計画から隔離して考えるべきだと思います。ある程度、計画による統治された美しさも認めますが、そうではない、じわじわと生成してできた凄さが好きです。自然林と人工林の違いもそうですよね。人工林は手をかけないとすぐに枯れてしまうけれど、自然の森は手をかけなくてもすべてが絶妙なバランスでできあがっています。メインテナンスフリーで、それこそが自然の姿だと思います。

故事ことわざ辞典

巧言令色鮮し仁とは、言葉巧みで、人から好かれようと愛想を振りまく者には、誠実な人間が少なく、人として最も大事な徳である仁の心が欠けているものだということ。
剛毅木訥仁に近しとは、意思が強く強固で、素朴で口数が少ない人物が、道徳の理想である仁に最も近い者であるということ。
温故知新とは、昔のことをよく学び、そこから新しい知識や道理を得ること。また、過去の事柄を研究して、現在の事態に対処すること。

習わぬ経は読めぬとは、知識や経験のまったくない物事をやれと言われても、できるものではないということのたとえ。
大智は愚の如しとは、本当に知恵のある者は知識をひけらしたりしないから、一見すると愚かなように見えるということ。

瀬戸賢一

Metaphor
Simile
Personification
Synesthesia
Zeugma
Metonymy
Synecdoche
Hyperbole
Meiosis
Litotes
Tautology
Oxymoron
Euphemism
Paralepsis
Rhetorical questions
Implication
Repetition
Parenthesis
Ellipsis
Reticence
Inversion
Anthithesis
Onomatopoeia
Climax
Paradox
Allegory
Irony
Allusion
Parody
Pastiche
人生は旅だ  彼女は氷の塊だ
ヤツはスッポンのようだ
社会が病んでいる  母なる大地
深い味  大きな音  暖かい色
バッターも痛いがピッチャーも痛かった
鍋が煮える  春雨やものがたりゆく蓑と傘
熱がある  焼き鳥  花見に行く
一日千秋の思い  白髪三千丈  ノミの心臓
好意をもっています  ちょつとうれしい
悪くない  安い買い物ではなかった
殺入は殺人だ  男の子は男の子だ
公然の秘密  暗黒の輝き  無知の知
化粧室  生命保険  政治献金
言うまでもなく  お礼の言葉もありません
いったい疑問の余地はあるのだろうか
袖をぬらす  ちょっとこの部屋蒸すねえ
えんやとっと、えんやとっと
文は人なり(人は文なりというべきか)
これはどうも それはそれは
「……」 「――」
うまいねえ、このコーヒーは
春は曙  冬はつとめて
かっぱらっぱかっぱらった
一度でも…、一度でも…、一度でも…
アキレスは亀を追いぬくことはできない
行く河の流れは絶えずして…
(0点なのに)ほんといい点数ねえ
盗めども盗めどもわが暮らし楽にならざる
サラダ記念日 カラダ記念日
理不尽の嵐で気分が如月状態だぜ(西尾維新風)

Bright Side

Yawning  The main purpose of yawning is to cool down the brain after it’s been overheated or overloaded.
Sneezing  Usually, we sneeze when our nasal passages fill up with too many allergens, microbes, dust, or other irritants. Sneezing is the body’s way of getting rid of this “trash.”
Stretching  We instinctively stretch in order to prepare our bodies for the physical loads we expect them to take during the day. At the same time, stretching works the muscles, restores blood flow, and improves our mood.
Hiccuping  When we eat very quickly, swallow large pieces of food, or simply overeat, our pneumogastric nerve can become irritated. This is closely connected to our stomach and diaphragm. The result is a bout of hiccups.

中山清治

喫茶養生記は、栄西が在宋中に見聞しあるいは経験した茶の栽培法、飲み方、採取法、効能等を述べている。またこの他、桑の飲み方効能を記している養生書である。
栄西が再度入宋をした頃、宋では禅宗が盛んであり、当然栄西も禅の修業に励んでいる。禅宗は専一に瞑想することによって仏の悟りに入ると言われており、長時間の瞑想が睡魔に襲われ心身の疲労をきたすということが起こる。茶を飲むことによって疲労を早く回復することが出来、更に精神をも爽快にすることが出来る。中国では茶が古い時代から一般に飲用されていたことは栄西も述べている。
宋の禅僧は特にこうした茶の効用に着目し、睡魔を防止し疲労の回復をはやめることが出来ることから、長時間の瞑想に堪えるためには茶の飲用は欠かせないものであると考えたのである。
したがって禅僧は菩提達磨の像の前に集まり、深厳な儀礼の下に一椀の茶を飲み、これを茶の儀礼としたとされている。留学した栄西もこうした茶の儀式に加わり、自ら茶を飲み。茶の効用を体験し、禅の修業とともに茶に関する儀式を学んだものと思われる。
栄西は茶に興味を抱き、留学中に様々な文献から、あるいは口伝から茶に関する養生法と知識を得ようと努力をした。また当時、茶と並んで養生法の1つとされていた桑の療法を知り、この二つを合わせて持ち帰り、目的とするところは禅の普及にあったが同時に喫茶の習慣を国内にも広めようと考えたのであった。

日本経済新聞

神奈川県小田原市で2007年以降、生活保護受給者の自立支援を担当する市職員ら64人が「不正受給はクズだ」などの趣旨の英文が背面にプリントされたジャンパーを自費で購入し、一部の職員が勤務中に着ていたことが分かった。
左胸部分には「HOGO NAMENNA」、保護なめんなと読めるエンブレムが付いており、ジャンパーを着たまま受給者宅を訪れるケースもあった。

市川園 お茶ミュージアム

国別に見た茶の消費量(2007-2009)


国別に見た国民一人当たりの茶の消費量(2007-2009)


社団法人日本茶業中央会「平成23年版 茶関係資料」より作成
※茶は紅茶、ウーロン茶、緑茶などの合計

Houyuan Lu, Jianping Zhang, Yimin Yang, Xiaoyan Yang, Baiqing Xu, Wuzhan Yang, Tao Tong, Shubo Jin, Caiming Shen, Huiyun Rao, Xingguo Li, Hongliang Lu, Dorian Q. Fuller, Luo Wang, Can Wang, Deke Xu, Naiqin Wu

Phytoliths and biomolecular components extracted from ancient plant remains from Chang’an (Xi’an, the city where the Silk Road begins) and Ngari (Ali) in western Tibet, China, show that the tea was grown 2100 years ago to cater for the drinking habits of the Western Han Dynasty (207BCE-9CE), and then carried toward central Asia by ca.200CE, several hundred years earlier than previously recorded. The earliest physical evidence of tea from both the Chang’an and Ngari regions suggests that a branch of the Silk Road across the Tibetan Plateau, was established by the second to third century CE.

大九工務店

やがて、余計なものをすべてそぎ落とすかのような、単純にして質素な茶事が注目されるようになります。そこでは侘と寂という日本人ならではの感性が尊ばれました。
この侘と寂にはいろいろな解釈が存在し、これが正解というものはありません。ただ豪華絢爛な美の世界の対極にある、素朴で、歳月の過ぎゆくままに古びてゆく姿に美を見る境地。日本古来の「もののあはれ」にも通じる感覚です。
たとえば木の家具が何年もかけて傷んでいく様子、そうした身近な滅びの姿も侘と寂を感じるものといえます。茶の世界における寂という言葉は、錆と同じ意味合いを持ち、時の経過により自然に古くなってゆく様子を表わします。

Ron Miller

While a machine can perform a given task, often more efficiently than we can, what it lacks is the artistry in the activity, that uniquely human ability to cater to the needs of the individual. The protocol may suggest one approach, but a person who is good at their job understands when to adjust and the subtleties that are required.
People still matter. And that’s an important point to keep in mind. Even in scenarios that don’t involve advanced education like physicians, it doesn’t mean that we as humans don’t want to interact with people instead of machines.
Technology marches relentlessly forward, and it would be foolish to argue otherwise, but some things remain fundamental, and people-to-people communication will continue to be one of them. Just because the tech is available, doesn’t mean it’s always going to be the best option in every situation.

Steven Shorrock

Following most major accidents, one phrase is almost guaranteed to headline in the popular press: ‘human error’. The concept is also popular in our own discipline and profession; it is probably among the most profitable in terms of research and consultancy dollars. While seductively simple to the layperson, it comes with a variety of meanings and interpretations with respect to causation and culpability. With its evocative associations, synonyms, and position in our own models, ‘human error’ is a key anchoring object in everyday and specialist narratives. Despite our efforts to look at what lies beneath, explanations, both in industry and the judiciary, often float back what people can see, with hindsight, at the surface. Our scientists’, designers’ and analysts’ perspectives are overpowered by common sense, management and legal perspectives. And the pervasive nature of the term clouds other ways of seeing that recognise the need for adjustments, variability and trade-offs in performance.

三苫民雄

人間は間違いを犯す生き物で、神様でもない限りこれを避けて生きることはできません。さらに、人間は間違いを隠す生き物でもあり、自己正当化のためには事実をねじ曲げるばかりか、ときにはそのような事実がなかったことにさえしてしまいます。
他方で、人びとがあえて自らの間違いを認めた場合の社会的反応は決して悪いものではありません。実は私たちには間違いを肯定的にとらえ、イノベーションや将来の制度設計に活かしていくという可能性が開かれているのです。

孔子、聖徳太子

子曰、君子和而不同、小人同而不和。

一曰、以和為貴、無忤為宗。
人皆有黨、亦少達者。是以或不順君父、乍違于鄰里。然上和下睦、諧於論事、則事理自通、何事不成。

リーチ・マイケル

まずはいろいろ、選手の言うことを全部聞いてみる。重要なのは Want と Need。1人1人の考えをしっかりと整理する。Need を優先する。Want もできる限り実現できるようにする。相手のすべてを受け入れてから、解決策を考える。

Brad Katsuyama

We wanted to build a company that reflected the mission we’re on — people who cared as much about doing good as they did about making money. To do that you have to find the right people. We’ve had a very good track record of finding the right people. In a way, if I was this massively controversial figure, it would have been harder for people to sign up for this mission. I am a fairly go-with-the-flow guy. Don’t get me wrong, I have convictions. I’m not afraid to stand up for what we believe in. It is shocking that I’m in the position I’m in.

Michael Lewis

Having understood the problems, Katsuyama and his colleagues had set out not to exploit them but to repair them. That, too, I thought was interesting: some people on Wall Street wanted to fix something, even if it meant less money for Wall Street, and for them personally.
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The rigging of the stock market cannot be dismissed as a dispute between rich hedge-fund guys and clever techies. It’s not even the case that the little guy trading in underpants in his basement is immune to its costs.

Li Yong

The WTO statement of “made in the world” reflects the reality of the globalized production chain, like it or not, and trade war based on politically-driven positions will not change the situation. The biggest categories of US exports are commercial aircraft, automobiles, and food, for example, and no one can imagine that those products are, or can be, made completely in America. Take Boeing as an example. A lot of major components are made in factories located in Tianjin, Chengdu, Xi’an and Shenyang, and exported to Boeing, who assembles them into airliners that Boeing will sell to the rest of the world, including China. A trade war will change the economics of the supply chain and hurt everyone in the chain.
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As the Chinese saying goes, a war that kills 1,000 enemies by losing 800 of your own soldiers is not a winning war. A trade war that reduces the size of the cake and kills jobs amid the effort to increase them is not a smart move. So, why bother having a trade war?

World Trade Organization (WTO)

Today, companies divide their operations across the world, from the design of the product and manufacturing of components to assembly and marketing, creating international production chains. More and more products are “Made in the World” rather than “Made in the UK” or “Made in France”. The statistical bias created by attributing the full commercial value to the last country of origin can pervert the political debate on the origin of the imbalances and lead to misguided, and hence counter-productive, decisions. The challenge is to find the right statistical bridges between the different statistical frameworks and national accounting systems to ensure that international interactions resulting from globalization are properly reflected and to facilitate cross border dialogue between national decision makers.

野田聖二

戦前と戦後の大震災の事例をみてわかることは、震災により景気が一時的にダメージを受けても、それによって景気が震災直後から累積(スパイラル)的に悪化していくようなことはなく、むしろ復興需要に絡む在庫投資が景気を加速させる方向に作用する、ということです。
このことは、在庫循環モデルのシミュレーションからも確かめることができます。震災のショックで需要もしくは生産が一時的に落ち込むと、それが復元していく過程で在庫投資が急増して景気が加速し、景気循環の振幅が激しくなるのです。
このような需要もしくは供給の一時的なショックが景気の回復局面で発生すると、過去2回の大震災の時のように、景気の水準は一時的に落ち込むものの、それによって回復基調が途切れてしまうわけではなく、むしろその反動で景気が加速して、場合によってはそれが景気循環のピークの到来を早めることにもなります。
過去2回の大震災の事例と在庫循環のメカニズムとから、今回の東日本大震災が景気に与える影響もあらかた予想できるのではないかと思います。
結論から言えば、震災の影響による一時的なショックにより、生産などの経済の水準は一時的に落ち込みますが、景気の回復基調がそれによって途切れるわけではなく、むしろ落ち込んだ水準から元の水準に戻っていく過程で景気が加速していく可能性がある、ということです。

鈴木貴博

人工知能とロボットが発達すると究極には人類の99%の仕事がなくなるという予測があります。百年後の未来を考えればそれはその通りなのですが、15年後ぐらいの近未来を考えた場合、人工知能とロボットにはどうしても到達できない、非常に優れた人間の体の機関があります。それは指です。指先が行う繊細な仕事が、ロボットにも人工知能にも、どうにもマネできないのです。
それ以外の機関、つまり眼や耳などの感覚器官、脳のような思考力、足や腕のような四肢のマネごとまでは人工知能やロボットが近未来に人間を代替できるようになるのですが、指先だけはどうしようもありません。先日、甲斐の名産である信玄餅の工場を見学したところ、生産プロセスの大半はロボットが行っていたのですが、最終工程の箱詰めだけは人間が作業をしていました。
指先が必要な仕事の大半は現場仕事です。コンビニの棚に商品を補充する店員の仕事や、マクドナルドの厨房で調理のオーダーをさばく仕事、こういった細かい作業をする際には指が不可欠です。指の役割をロボットが代替できない以上、たとえ世の中の大半の仕事が消えてしまっても、こういった仕事だけはなくなりません。そう。人工知能とロボットが発達した15年後の未来には、人類に残される仕事は現場作業だけになります。

Joseph Rouse

These discussions of the concepts of truth and value lead us to the final issue that I take to characterize cultural studies of science. Sociological constructivists frequently insist that they merely describe the ways in which scientific knowledge is socially produced, while bracketing any questions about its epistemic or political worth. In this respect, their work belongs to the tradition that posits value-freedom as a scientific ideal. By contrast, cultural studies of scientific knowledge have a stronger reflexive sense of their own cultural and political engagement, and typically do not eschew epistemic or political criticism. They find normative issues inevitably at stake in both science and cultural studies of science, but see them as arising both locally and reflexively. One cannot not be politically and epistemically engaged.

Career Garden

平成9年、日本ではじめて介護保険制度がスタートしました。
介護保険制度とは、高齢化社会に向け、福祉サービスの充実を図るためにできた制度です。ケアマネージャーはこの介護保険サービスの中核を担うために生まれた比較的新しい職種です。
ケアマネージャーとは、正式名称を「介護支援専門員」といい、介護を必要とするお年寄りと介護保険サービスをつなぐ大切な役割をもっています。
ケアマネージャーの仕事内容は一言では言い尽くせないほど多岐にわたりますが、主に下記のような仕事をしています。
 ・ お年寄りやその家族の介護相談
 ・ 要介護認定の書類作成代行
 ・ ケアプランの作成
 ・ モニタリング
 ・ 介護保険の給付請求
 ・ 各介護サービスとの連絡調整

厚生労働省

介護保険制度の財源 (2013年)
財源 負担率 金額
公費(50%) 25% 1,860億円
都道府県 12.5%   930億円
市町村 12.5%   930億円
高齢者(65歳~)の保険料 22% 1,636億円
若年者(40歳~64歳)の保険料 28% 2,082億円
  総額 7,438億円

Pico Iyer

Japan is still — and will long be — a country of ghosts and of gods, which is partly why it still remains so far from the larger world in so many (often costly) ways, even in the midst of its mismatched, globalized surfaces. Fantasy is everywhere here, but that does not make for any less realism—and surrender to what is more deeply beyond understanding.
While so many elsewhere are talking about the disaster in terms of ifs and buts, most of my friends in Japan seem much less distractible. Everything is uncertain, and none of us will last for long: that part didn’t change at all three years ago.

Institute for Propaganda Analysis

Glittering Generalities:
Glittering generalities was one of the seven main propaganda techniques identified by the Institute for Propaganda Analysis in 1938. It also occurs very often in politics and political propaganda. Glittering generalities are words that have different positive meaning for individual subjects, but are linked to highly valued concepts. When these words are used, they demand approval without thinking, simply because such an important concept is involved. For example, when a person is asked to do something in “defense of democracy” they are more likely to agree. The concept of democracy has a positive connotation to them because it is linked to a concept that they value. Words often used as glittering generalities are honor, glory, love of country, and especially in the United States, freedom. When coming across with glittering generalities, we should especially consider the merits of the idea itself when separated from specific words.

松本卓也

「取り戻す」。これが安倍政権のキーワードだ。ニッポンを取り戻す-。安倍晋三首相はかつて自著で、(日本が直接攻撃を受けてなくても、他国を武力で守る)集団的自衛権は「自然権」であり、日本は「権利があっても行使できない」「禁治産者」と表現した。
私が専門とする精神分析の分野で「享楽の盗み」という概念がある。人間は生まれ落ちた時点で母親から切り離され、いわば楽園状態から追放される。その結果、本来あった十全たる享楽を欲しがるのだが、しばしば誰かに自分の享楽を盗まれたのだと錯覚する。
安倍政権も同じ論理で、かつて幸福な時代があったとの空想が強い。この「取り戻す」が問題なのは「ならば私たちの享楽を盗んだのは誰か」と排外主義に結び付きやすい点だ。例えば、拉致問題解決を訴えるデモにヘイトスピーチをやる人が交じってくる。
安倍政権は米国への従属と挑発という矛盾する政策を繰り返す。首相の真珠湾訪問で、米国にもう絶対、歯向かいませんと腹を見せた。日ロ首脳会談はシリア問題でロシアへの制裁を求める米国の手をかむかのようだった。この二方面作戦は「懸命な対米従属」とも「対米自立」とも読み取れ、両側から矛盾をはらんだ支持を集めている。
「失われた享楽」を取り戻そうと、集団的自衛権を行使できるようにした安全保障関連法は、米国の思い通りに利用されかねない。つまり戦争の道具にされる。自立路線のふりをしながら、結局、対米従属が強まるのだろう。安倍政権は東アジア諸国に対して加害者として反省、謝罪する代わりに、米国とともに加害者になろうとしている。

Michel de Montaigne

Chez moy, je me destourne un peu plus souvent à ma librairie, d’où, tout d’une main, je commande mon mesnage : Je suis sur l’entree ; et vois soubs moy, mon jardin, ma basse cour, ma cour, et dans la plus part des membres de ma maison. Là je feuillette à cette heure un livre, a cette heure un autre, sans ordre et sans dessein, à pieces descousues : Tantost je resve, tantost j’enregistre et dicte, en me promenant, mes songes que voicy.
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Chez moi, je me détourne un peu plus souvent à ma librairie, là, tout d’une main , je commande à mon ménage. Je suis sur l’entre, et vois sous moi mon jardin, ma basse-cour, ma cour, et dans la plupart des membres de ma maison. Là je feuillette à cette heure un livre, à cette heure un autre, sans ordre et sans dessein, à pièces décousues. Tantôt je rêve ; tantôt j’enregistre et dicte, en me promenant, mes songes que voici.

モーリー・ロバートソン

放射能、TPP、子宮頸がんワクチン、大麻など、ひとたび「○○が怖い」「○○は穢(けが)れている」という流れになったとき、日本では多くの人々が目の前にある重い課題をゼロベースで考え抜くことを放棄し、「信じたいことを信じる」傾向が強くなる。みんな同じことを考えるはずだ、そうでないヤツはけしからん…。
この脆弱な言論空間に、スマートで巧妙な情報操作を行なう集団が現れたらどうなるか? たとえ「極右政権誕生」という形はとらなくとも、様々な形で“排外的な空気”が社会全体に染み渡っていく可能性は極めて高いでしょう。
マスメディアが没落してあらゆる情報が水平化した現在、情報の信頼性や真贋、そして「奥行き」は受け手側が判断しなければいけなくなりました。具体的な見分け方はケースバイケースですが、ひとつだけ言えることがあります。
自分や自分の属する集団を無批判に持ち上げる(「今のままが一番」「日本人で良かった」など)ばかりの報道や政治運動は、よく考えてみれば、別の誰かにとっては極めて排他的なものです。そんな言説が力を持つ世の中では、いつしかその排他性が自分にも向かってくる。これからの時代、そのことは誰もが肝に銘じておく必要があるでしょう。

団鬼六

とにかく小池は強い。新宿の将棋道場を拠点に勝ちまくり、奉られた二つ名が「新宿の殺し屋」。「通天閣の死闘」と呼ばれる激戦を制したり、泥酔して暴行事件を起こし、一晩とめおかれた留置場から駆け付けて大山康晴十五世名人との対局(角落ち)に圧勝したり、と、格好良すぎるくらい強いのに、いよいよプロへの道が開けようかという時にホステスに入れ込み、将棋道場の金を使い込んで逐電。重要な節目節目で必ず女に溺れて失敗する小池のジェットコースター人生から目が離せなくなる。
本書の魅力は、小池に何度煮え湯を飲まされようと彼の将棋を見たい、勝負に“乗りたい”と思ってしまう人間の不思議さを描いていることだ(著者の団もそのおかしな一人)。天才の一手に「夢」を託し、「夢」の先を見届けたいと願う人の姿が、また読む者の胸を打つ。

Marc Prensky

Probably the biggest reason that tell-test is failing to do the job it used to is that the world of the learner has changed so dramatically. As a result, learners no longer see themselves as receptacles to be filled up with content, but as creators and doers. And that these changes have happened so quickly is a primary reason education and training hasn’t changed to keep up. Even in normal times education is slow to change. But now there is the phenomenon in which kids have totally outpaced their parents and elders in the new ways of the world.
Learners have access to and experience with so much before they ever hit a training or education classroom that they are rarely “empty vessels” (or tabulae rasae) when they get there. In business it is extremely rare to find an audience that knows absolutely nothing about the subject matter at hand. Everyone knows something about it – we just don’t know who knows what. So by “telling” everything we wind up boring all the people most of the time.

マーク・プレンスキー

説明と確認テストが以前ほど機能しなくなってきている最大の理由は、学習者を取り巻く世界が劇的に変わったからである。結果として、学習者たちは自らを受身な空っぽの容器のようには見ず、実践者や創造者として見ている。この変化のスピードが速く、教育は変化に追いっくことができていない。変化の緩やかな時代であっても、そもそも教育というのは変化が遅いものである。しかし今や子どもたちは、親や老人たちの世代を完全に追い抜いて、新しく開かれた世界を生きているという現象が起こっているのだ。
学習者たちは、教室で学ぶ以前に多くの経験をしているのであって、空っぽの容器や白紙の状態で教室に来ることなどあり得ない。企業内研修の場において、教えようとする知識について全く何も知らない学習者がいるということはまず考えられない。そのため、一から何もかも説明すると、誰もがほとんどの時間を退屈して過ごすことになる。

Marc Prensky

Digital Immigrant teachers assume that learners are the same as they have always been, and that the same methods that worked for the teachers when they were students will work for their students now. But that assumption is no longer valid. Today‟s learners are different. “Www.hungry.com” said a kindergarten student recently at lunchtime. “Every time I go to school I have to power down,” complains a high-school student. Is it that Digital Natives can’t pay attention, or that they choose not to? Often from the Natives‟ point of view their Digital Immigrant instructors make their education not worth paying attention to compared to everything else they experience – and then they blame them for not paying attention!
And, more and more, they won‟t take it. “I went to a highly ranked college where all the professors came from MIT,” says a former student. “But all they did was read from their textbooks. I quit.”

Digital Natives, Digital Immigrants (PDF file)

ブッダ

落ちついて思慮ある人は身をつつしみ、ことばをつつしみ、 心をつつしむ。 このようにかれらは実によく己をまもっている。

愛するものから憂いが生じ、愛するものから恐れが生じる。愛するものは変滅してしまうから、ついには狂乱に帰す。

耳で多くのことを聞き、眼で多くのことを見る。思慮ある人は、見たこと、聞いたことをすべて信じてはならない。

生活雑感

この30年来、心ある知識人は専門分化が著しい現代文明の状況を眺めて、誰も全貌を理解し得ない時代が来たと慨嘆した。専門が専門を生み、その細分化は止まることがない。そのため隣接する部門であっても、たちまち他国に踏み込んだように理解できないくなっていた。もはやゼネラリストは存在しないのか。だとすれば知識全体のバランスは誰が、どうやって図るのか。まさにカオスの時代が到来したと嘆いた。その頃から私も同じ問題意識で悩まされていた。しかし21世紀のはじめ、遂に人類は新しい知識環境への到達を実感するにいたった。ウエブツーワールド時代の到来だ。従来のツリー型知識の構造は、人間がつくったもので絶対のものではない。それが今日までの進化による情報集積の結果、ついにカバーしきれなくなったのだ。しかし人間は、この閉塞を打ち破るテクノロジーを開発した。ウエブ2.0である。これによって地球全体の情報が瞬時に検索できるようになった。そして個人の頭脳が、地球全体の頭脳とリンクしたのだ。その波及効果は大きい。たとえば大学は知識情報のメッカとしての存在の意味を失っている。

白井健策

ひとの話を聞きながら、うーむ、その話も、それからさっきの話も、新聞に出ていたなあ、などと思うことがある。その人が得々として話していることは、知った情報をいわば受け売りしているのである。▼それなりに面白い情報の羅列なのに、心の琴線に触れない。その人の心身を通って出てきた言葉がないからだ。そう感じて思わず自分の話し方をも省みる。私たちは、とかく情報を知恵と混同しがちである。▼当節、情報は山ほどある。それを取り入れて、賢くなったように錯覚する人がいる。あるいは情報の洪水におぼれ、流される人もいる。むろん、情報は持っているに越したことはない。情報は力でもある。▼だが、あくまでも情報は情報である。例えば、育児、教育、健康などに関して、情報を集める。それは結構だが、その上でどういう生活をするかを決めるのは、知恵の領域である。知恵が働かないと、情報に振り回される。▼ことの道理や筋道をわきまえ、しっかり判断する心の働きが知恵である。頭の良さ、学問的知識の有無などといったことではない。人生経験は関係があるだろう。だが体験したことを十分に自分の収穫とし、いつも考え抜く訓練がなければ知恵にはなるまい。▼英国の詩人・批評家、T・S・エリオットに、こういう言葉がある。「私たちが知識の中で失った知恵は、どこにある?私たちが情報の中で失った知識は、どこにある?」混同しがちな三つのものが詠み込まれている。▼自分の仕事に打ち込んできた、すぐれた職人。さまざまな苦労を重ねた年配の女性。時々、こういう人々から、重みのある、味のある、知恵の言葉を聞くことがある。各自の体験から引き出された、人生への深い洞察に裏打ちされた言葉である。▼先生たちは教室で知恵の言葉を語っているだろうか。親は子の情報判断を助けているだろうか。

Dustin Volz

Apple Inc has been asked by Chinese authorities within the last two years to hand over its source code but refused, the company’s top lawyer told lawmakers on Tuesday in response to U.S. law enforcement criticism of its stance on technology security.
The congressional testimony highlighted an issue at the heart of a heated disagreement between Apple and the FBI over unlocking encrypted data from an iPhone linked to last December’s San Bernardino, California shootings – how much private technology companies should cooperate with governments.
Law enforcement officials have attempted to portray Apple as possibly complicit in handing over information to China’s government for business reasons while refusing to cooperate with U.S. requests for access to private data in criminal cases.
“I want to be very clear on this,” Apple general counsel Bruce Sewell told Tuesday’s hearing under oath. “We have not provided source code to the Chinese government.”

WSJ | Reuters

International Business Machines Corp has agreed to let China review some product source code in a secure room, the Wall Street Journal reported, citing two people briefed on the practice.
It was not clear which products IBM was allowing reviews of or how much time officials of China’s Ministry of Industry and Information Technology can spend looking at the code, the WSJ said on Friday.
U.S. tech companies have been facing increased pressure from Chinese authorities to accept rigorous security checks before their products may be purchased by China’s sprawling, state-run financial institutions.
“IBM does not provide government access to client data or back doors into our technology,” the company said in an emailed statement to Reuters on Friday.
The company said that in several countries it can conduct limited demonstrations of specific aspects of its technology in “highly secure, controlled IBM environments that have no external communication links”.

中国国家认证认可监督管理委员会

第五十一条 国务院认证认可监督管理部门可以采取组织同行评议,向被认证企业征求意见,对认证活动和认证结果进行抽查,要求认证机构以及与认证有关的检查机构、实验室报告业务活动情况的方式,对其遵守本条例的情况进行监督。发现有违反本条例行为的,应当及时查处,涉及国务院有关部门职责的,应当及时通报有关部门。
第五十二条 国务院认证认可监督管理部门应当重点对指定的认证机构、检查机构、实验室进行监督,对其认证、检查、检测活动进行定期或者不定期的检查。指定的认证机构、检查机构、实验室,应当定期向国务院认证认可监督管理部门提交报告,并对报告的真实性负责;报告应当对从事列入目录产品认证、检查、检测活动的情况作出说明。
第五十三条 认可机构应当定期向国务院认证认可监督管理部门提交报告,并对报告的真实性负责;报告应当对认可机构执行认可制度的情况、从事认可活动的情况、从业人员的工作情况作出说明。
国务院认证认可监督管理部门应当对认可机构的报告作出评价,并采取查阅认可活动档案资料、向有关人员了解情况等方式,对认可机构实施监督。
第五十四条 国务院认证认可监督管理部门可以根据认证认可监督管理的需要,就有关事项询问认可机构、认证机构、检查机构、实验室的主要负责人,调查了解情况,给予告诫,有关人员应当积极配合。
第五十五条 县级以上地方人民政府质量技术监督部门和国务院质量监督检验检疫部门设在地方的出入境检验检疫机构,在国务院认证认可监督管理部门的授权范围内,依照本条例的规定对认证活动实施监督管理。
国务院认证认可监督管理部门授权的县级以上地方人民政府质量技术监督部门和国务院质量监督检验检疫部门设在地方的出入境检验检疫机构,统称地方认证监督管理部门。
第五十六条 任何单位和个人对认证认可违法行为,有权向国务院认证认可监督管理部门和地方认证监督管理部门举报。国务院认证认可监督管理部门和地方认证监督管理部门应当及时调查处理,并为举报人保密。

三枝国際特許事務所

研究および開発のレベルになると、お互い、技術情報や実験データのやりとり並びに研究成果の交換や発明が生まれるケースも十分考えられます。ここで、留意しなければならないのは、まず、米国の企業や大学との共同研究・開発契約において、上記技術情報や実験データ(特に米国側から日本企業または日本企業から派遣されている研究者に開示される場合)については、輸出管理規制の対象にはならないのかどうかの確認(これを怠ると産業スパイ法による罰則の対象となるリスクがあります)が必要となります。また、当然に米国で発明が生じた場合に米国側の単独となる場合は別として日本企業との共有になる場合に、当該発明を日本側の研究者に開示するにあたっては米国特許法のルールの対象となりますので、この点も十分理解した上で対応することが肝要です。

シティユーワ法律事務所

イスラーム教の教義(シャリーア)に従った金融手法。利息の禁止を中核的な概念としており、投資による損益分配や実物取引の形態を使用したスキームが採用されている。イスラーム金融の代表的な諸原則としては、以下のものが挙げられる。

  1. 利息(Riba)の禁止(例えば、金利付き貸付はこれに反する。遅延損害金も利息の禁止に抵触する。)
  2. 酒・豚肉の飲食の禁止(例えば、酒造会社への投資はこれに反する。)
  3. 賭博の禁止およびそのコロラリーとしての投機(maisir)の禁止(例えば、保険やデリバティブ取引について、シャリーアに準拠したイスラーム保険(タカフル)やマスター契約が開発されている。)
  4. 不明確性(Gharar)の禁止
  5. 実物取引との結びつきの重視(実物取引の裏づけの無い金融取引は禁止または嫌忌される。)

日本貿易振興機構 ドバイ事務所 知的財産権部

シャリーアにおいては、財産は、相続、遺贈又は遺産、個人の労働と努力等、様々な源流から取得されうるものである。このうち、労働と努力は知的財産にとって重要である。ゆえに、コーランとスンナがともに個人を励まして働かせようとしていることは明白である。
知的財産法は、権利者が金銭的利益のために自らの権利を利用することを認めている。同様に、シャリーアも上記の利用を認めているが、それには幾つかの制限があり、公益に反する利用は禁じられる。たとえば、権利者はザカート(喜捨)又はアルムス等の幾つかの金銭的義務を引き受けなければならない。明らかに、この制限はイスラム教徒のみに適用されるものである。喜捨はイスラム教徒に課される税だからである。さらに、権利者は自らの利用を合法的な方法による利用に限定しなければならない。つまり、利息の徴収、強制、窃盗、及びその他の許容されない行為を常に避けなければならない。
シャリーアの考え方によれば、権利者は、自らの財産及び資産を営利目的での使用を他人に許諾する権利をすべて有している。同様に、知的財産に関する権利の実施許諾も、同じ法理と理解に基づいて認められる。

Pico Iyer

The secret to happiness in almost any relationship is knowing what not to say. Ask your new love about her old loves and you’ll learn more than you want to know, and hear things you’ll never be able to unhear. Start telling your teacher that your dog ate your homework while your grandma was being rushed to the hospital, and he’ll have even less patience with you than if you just say, “I blew it.”
One reason we’re advised to send only brief emails is that too much information gives the person at the other end much more to misinterpret — or to start chewing over at 3 a.m. The other is that if you send a long message, the person you’re writing to may feel compelled to send an equally long one back, and then it’s you who’s twisting and turning on what she meant by that “and” and why she never mentioned Steve.
Or why she never wrote back at all.

一番かんたんなJava入門

WordPressの管理画面の上の方に、

「WordPress x.x が利用可能です ! 更新してください。」

って更新を促すメッセージが出てるので軽い気持ちで更新してみると、何分待っても更新が終了せず、仕方ないのでブラウザを閉じた。。
・・なんていう事をしでかすのは僕だけなんでしょうか?
その後、WordPress管理画面にアクセスすると、真っ白な画面に、

Warning: XXXXXX …

という素人には到底理解不能な謎の警告文が表示されるだけで、何もできなくなります。内心かなりパニックです。
よく、プラグインが原因で更新が上手くいかないとか聞きますが、状況的に、更新が完了しておかしくなったのか?それとも更新自体正常に完了していないのか?もうわけが分かりませんでした。

大高ひさお

涙じゃないのよ 浮気な雨に
ちょっぴりこの頬 濡らしただけさ
ここは地の果て アルジェリア
どうせカスバの 夜に咲く
酒場の女の うす情け
あなたも私も 買われた命
恋してみたとて 一夜の火花
明日はチュニスか モロッコか
泣いて手をふる うしろ影
外人部隊の 白い服

大喜直彦

幕末・明治初期にかけて、明治政府は近代化を目指し、極端な西欧化政策に舵を切りました。その結果、江戸時代までの日本社会に成長してきた諸々の事象が否定的に位置づけられ、西洋のものやその思想がよいと誤解され、以後の日本社会に大きく影響を及ぼしました。
本来、日本人の信条は自然との共生でした。その根底には、古来自然は神仏との認識があったからです。神とは人知の及ばない畏るべきものでした。それは雨、雷、風、蛇、動物などつまり自然そのものなのです。そしてこの神はやがて仏教の仏と習合して融合していきます。
同時に近代化する社会は、合理的な考え方を強制するようになっていきました。合理化が進むと、自然は不思議なものではなくなり、ますます神仏の世界から切り離されていくのでした。
自然に勝つこと、それが「進歩」、この考えが人間社会にも持ち込まれ、勝つことが正しく、負けた側には目もくれず、さっさと進む、それが「進歩」と考えたのではないでしょうか。

内井惣七

ゴルトンが人種改良の結果に着目し、その望ましさを強調したのに対し、ハクスリーはそのような結果に至る過程で何が生じるか、そのような過程を遂行するために何が必要かに着目し、結果の望ましさを打ち消してあまりあるほどの問題点があることを指摘したのである。ハクスリーの指摘は、次のようにまとめることができょう。(1)優生政策を成功させるためには、途方もない残忍な手段が要求されるので、これは倫理的に望ましくない。(2)人間に対する人為淘汰を行なうためには、人の性格や品性を、とくに幼年期のうちに見抜けるほど優れた観察力や知性を備えた判定者が必要であるが、そんな人間はいないので、適切な淘汰を行なうことが不可能である。さらに、(3)このような条件のもとで、つまり残忍な手段を用い、超人的な知性が要求されるという条件のもとで、このような政策を行なおうとすることは、社会の中で人々を結びつけている特有の絆を壊す危険性が高い、ということも指摘されている。
ゴルトン自身が1869年以後に行った遺伝と統計についての研究によっても、65年の論文あるいは69年の著書で構想したような「人種改良」の試みにはきわめて大きな困難があることが明らかになってきた。1870年代の後半にゴルトンが行なったスイートピーの育種実験によって、第一世代の平均より重い種(の一グループ)から得られた第二世代の種も、重さの分布は正規分布に従うことがわかっただけでなく、その平均値は、その重いグループの平均値ではなく、もとの世代全体の平均値の方へ近づくという「先祖返り」あるいは「退化」を示すことが明らかになった。さらに、1880年代に入って、ゴルトンは人体測定研究所を開いて人間のデータを集め始めたが、両親の身長と、成人した子供の身長を比較した統計データからも、まったく同じような「退化」の傾向があることが明らかになった。つまり、身長の大きな両親から産まれた子供の平均身長も、両親の平均身長よりは一世代全体の平均値の方へ近づく(「退化する」)のである。数学的解析の結果わかったのは、これは遺伝とは直接関係がなく、統計的な操作がもつ数学的性質の一つだということであり、ゴルトンが「退化の係数」と呼んだものは「回帰係数」と名づけ直されることになった。

内井惣七

近頃はやりの考え方によれば、「科学」は社会制度や法律、文化や芸術作品と同じように、人間が社会的営みの中で作り出したものである。したがって、人間の社会的営みがあるところには必ず「倫理」の問題が出てくるので、科学といえども倫理の問題は避けて通れない、ということになる。このような答えは、当然のように見えて、ほとんど内容がない。なぜなら、先の問いの本質的な部分は、「なぜ倫理か」という部分だけではなく、「なぜ科学か」という部分にもあったはずだからである。

伊東俊太郎

ヨーロッパの研究者の間には、西欧文明がアラビアから大きな影響を受けたなんてとんでもない、という気持ちがあるように思います。アラビアなんて石油だけの国ではないか、そこの文明からいろいろなものをもらって自分たちの文明に基盤が出来たなどということがあってたまるかという自尊の念がどこか頭の端にあって、それで、そうした事実をひたかくしに隠すか、隠しきれなければ、それを最小限度に押さえるとか、過小評価してしまう、あるいはその文脈をそらしてしまうというようなことがあると思うのです。

手嶋兼輔

ギリシアとローマは「ギリシア・ローマ」と言うように一体化した呼び名が通用しているが、実はその両者はその名称の持つ響きほどには均質の国家、社会でもなければ、文化を共有しているわけでもない。双方は本質的には別個な、それぞれの歴史と伝統を重ねている。それを「ギリシア・ローマ」とひと括りにまとめてしまうところに誤解が生じるように思える。ギリシアにはギリシアの、ローマにはローマのそれぞれの背景がある。ギリシアは地中海の東に発展し、対するローマは地中海の西に地歩を築いた。両者は言わば、後ろ向きに背中合わせに逆方向を向きながら成長してきたような間柄なのである。